24LandsRamp解説

  • 2023.3.24
    デッキ紹介
    PauperMTG

    ■はじめに

    パウパーのデッキって大体土地の枚数が22枚ですよね。

    あなたはどうして22枚なのか説明できますか?

    こんにちは松籟です。
    またPauperMTGのコラムコーナーにやってきました。今回はジャンドランプの派生系「24LandsRamp」について解説します。読み方は戦車なんかの数字呼称に倣って「にーよんらんずらんぷ」と呼んでいますが別に好きに呼んでいいです。

    デッキリストはこちらから

    デッキの特徴は名前の通り土地を24枚採用しているところです。
    スタンダードにおける標準的な土地枚数ですね。

     

    ■デッキの土地枚数について

    さて、冒頭の土地22枚に関する問いですが、答えは「パウパーの主流な呪文のマナコストが2であること」に起因します。
    パウパーの代表的なカードを思い浮かべて下さい。大体2マナのカードだと思います。

    2マナのカードが中心ということは、少なくとも2ターン目までに土地を2枚引かなければなりません。許容値を80%とすると、初手で2枚土地を引くための土地枚数は22枚(81%)になります。これが22枚の理由です。

    同様の理由で3-4マナからゲームが動くスタンダードやパイオニアは24枚が多く、主流の呪文が1マナのレガシーは20枚以下がメジャーですね。フォーマット内で例外のアーキタイプがあるのもそういった理由です。ゴットフリート・ライプニッツの充足理由律よろしく何事にも理由は存在するのです。

    デッキをゼロベースで構築するにあたり「このデッキのメインのマナ域はいくつだっけ?」という考えを持たないと、デッキのメインムーブとマナカーブが合わずにマナスクリューやマナフラッドを起こします。
    「自責を疑え」の格言よろしく、その土地事故の原因は運ではなく構築ミスである可能性があるのです。

    え?松籟がこんな真面目な話するわけない?確かにそうですね。そんな気がします。ゴーストライターかもしれません。松籟を疑え。

     

    ■マナ基盤について

    では改めてリストを見てみましょう。
    スマホの画面に触れて上から下へ勢い良くシャー!っとなぞればリストが出てくるはずです。
    ランプの肝である序盤のマナ加速に《浄化の野火》を採用しているのですが、4枚しか入っていないカードを毎回引ける物語の主人公にはなれないそんな僕たち私たちは、悔し涙を流しながら追加のマナ加速として3マナのマナ加速として《地操術士の計略》と《宝石泥棒》を計6枚採用しています。
    《浄化の野火》と合わせて10枚で、これらのカードを先手3ターン目までに1枚以上引く確率は85%以上(86.3%)。まぁなんとかなるやろという数字です。

    序盤にマナ加速できないランプなんて幼馴染属性ヒロインがいないラブコメのようなものですからね。は?幼馴染属性なんていらない?ブッこr―――というわけで絶対にマナ加速はしたい。だけど続唱から実質ハズレな《楽園の拡散》や《東屋のエルフ》は捲りたくない。絶対に3マナに到達するために土地を3枚引きたい。そのための24ランド。これが設計思想です。

    参考
    ・土地22枚で3ターン目までに土地を3枚以上引く確率→79.6% マナ加速と合わせると68.0%
    ・土地24枚で3ターン目までに土地を3枚以上引く確率→85.5% マナ加速と合わせると73.7

    土地枚数22だと3ターン目までに目的のアクションを取れる確率が7割を下回ってしまうのです。

    更に毎ターンフルでマナを使い切りたいのでタップイン土地は8枚に抑え、《ダークスティールの城塞》や《灰のやせ地》を採用してテンポを阻害しないようにしています。

     

    ■採用クリーチャーについて

    そんなこんなで序盤全力でマナ加速したら後は簡単です。

    《苛立つアルティサウルス》
    《乗り込み部隊》
    パウパーの広大なカードプールでも屈指のカードパワーを誇る《苛立つアルティサウルス》、レガシーでも採用実績のある《乗り込み部隊》を叩きつけましょう。特に《苛立つアルティサウルス》は圧倒的サイズにトランプル&到達と攻守に渡って最強の名をほしいままにしています。2枚なんて日和ったことせず絶対に4枚積みましょう。

    『コンフラックス公式ハンドブック』のアラーラ次元設定資料にも書かれていなかった通り、「ジャンド」とは土着の言語で「強欲」を意味しています。土地22に囚われてアルティサウルスを2枚で我慢するなんて健全なジャンドの民がすることではありません。赤ん坊は生まれたとき「欲しい」と言って泣きます。生きるとは欲することなので4枚採用は必然なのです。

    《復讐する狩人》
    攻めの手段が8枚では頼りないので、5マナ域のパワーカードである《復讐する狩人》を採用しています。《地下街》第一階層の基本土地サーチも7マナを目指すこのデッキとしては非常に重要です。

    また、トランプルでダメージを通せる《苛立つアルティサウルス》、速攻で奇襲をかけられる《乗り込み部隊》、トランプルだけでなく警戒で守りにも適している《宝石泥棒》と全てのクリーチャーがイニシアチブ争奪戦に適しているのもポイントです。

    ただこのデッキにイニシアチブは必須ではないので、クリーチャーの手数が多くイニシアチブを奪われやすい相手や、サイドの《議事会の自然主義者》が有効な親和相手にはサイドアウトしてしまって構いません。

     

    ■除去について

    除去コントロールなので布告系から全体除去まで幅広く採用しています。種類を散らしているのは対戦相手に除去のタイプによるサイドボーディングをさせにくくする意図もあります。全部4枚採用してる感出していきましょう。

    ちなみに呪禁オーラがめちゃくちゃしんどいのでサイドボードから布告系だけは増量できるようにしています。

     

    ■サイドボードについて

    《議事会の自然主義者》
    主に親和相手にサイドインしますが、《未達への旅》を除去として採用しているゲート系にも2枚くらい入れたりします。
    続唱の《自然の再生》でないのは、ぱうぺあ娘々が動画でもやっていた通り4/4というサイズが《マイアの処罰者》と相討ち取れる優秀なサイズだからです。
    というか続唱したとして4/4が出ることより強い状況があまり無いです。

    《嵐の乗り切り》
    目に見えて赤単が辛いので全力でライフゲインしています。《献身的な精霊術士》で回収すれば大体なんとかなります。

    《チェイナーの布告》
    追加の除去です。単体除去で腐るものがあれば入れ替える形になります。そのために全部の除去を2枚1組にしています。

    《暗影の蜘蛛》
    今のメタに航空戦力が多いのでブロッカーとして採用しています。

    《虚無の呪文爆弾》
    墓地対策です。墓地を対策したいなーって思ったら除去あたりを減らしてサイドインします。

     

    ■おわりに

    以上が24LandsRampの解説です。
    後半戦最強、超重量級の圧倒的パワーを君も体験しよう。

    そして最後に1番大事なテクニックです。続唱という不安定な能力を使う以上、いかに今求めているカードを続唱から捲るかが重要です。運命を、デッキを、全てを味方にしましょう。

    とある筋の研究機関の調査によると「プレイヤーが毎日優しい言葉をかけ続けた続唱ジャンド」と、「何もしていない続唱ジャンド」とでは圧倒的に前者の方が「周囲から『こいつ頭大丈夫か・・・?』と心配される確率が高い」とのデータが出ているのです。
    ・・・何の話してたっけ。

    おしまい

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