OONS式クソデッキビルディング

  • 2023.1.27
    その他
    OONS

    ■はじめに

    OONSです。
    とりあえず動画どうぞ。

     

     

    今回は、この動画で触れた「デッキの組み方」に関して、自分の具体的な構築メソッドを文字の方でも残しておこうと思います。

     

    デッキ構築に慣れていない方の中でも、「使いたいカード/ギミックがあるけど既存のデッキで使われてない」「ゼロからデッキを組みたい」みたいな悩みがある方。そんな方に向けた、ビルダーとしてのデッキの”作り方”の参考になれば幸いです。

     

    なお、ここ以降は全体的にデッキ構築の”正解”を知っているような体で書いていきますが、全部カジュアルプレイヤーOONSの主観です。ご注意を。

     

    ■①:《衝動/Impulse》

    ・パックを剥く
    ・カードショップのストレージを漁る
    ・大会やフリープレイで他の人のデッキと戦う
    ・新弾のフルスポイラーを眺める
    ・他のフォーマットを遊ぶ
    ・背景ストーリーを調べる
    ・動画や記事などのコンテンツを見る

     

    どれでもいいです。自分の好きな形で、普段通りにMtGと接してください。

    その中で、「ビビッと来る」「ワクワクする」そんな魅力を感じるカードやギミックと出逢うことがあります。それが構築のスタートになります。

    魅力を感じるのは、性能にでもイラストにでも名前にでも、何に対してでもいいです。

     

    なお、もしトップメタと呼ばれるデッキ群に勝ちに行くことを目指す場合、これから行う作業は「何百人がお互いを参考にしながら磨き上げてきた集合知」に一人で立ち向かう行為です。その不利な戦いに「自分の責任で挑む」という自覚はここで強く持ちましょう。もう言い訳はできません。腹を括れ。

     

    勝率よりもプレイ体験を求める場合や、仮想敵がトップメタでない場合などは、気にせず進みましょう。

     

    ■②:《情報収集/Curate》

    そのカードやギミックのデッキを組むうえで、引き出しになりうるカード情報を洗い出します。

     

    ここで洗い出した情報は、個人的にはDECK-UPに保存しておくことをオススメします。
    ※新規カードの追加に大きめのラグがあったりPauperプールの認識がズレていたりするので、自分は「ヴィンテージデッキの非公開リストとして作成し、検討の欄にカード追加」しつつ、無いカードは名前が似たカードで代用してデッキ説明欄にその旨書いています。

     

    具体的なアプローチを、以下にいくつか紹介します。自分は全部やります。

     

    ②A:Wisdom Guildでキーワード検索
    MtGなりPauperなりに多少慣れた方向けの方法になります。そうでない方はスキップ推奨。

    Wisdom Guildのカード検索機能を活用して、関連するカードをどんどん洗い出します。Scryfallなど他のカード検索エンジンに慣れている方であれば、それでも大丈夫です。

     

    この”関連”には様々な形があり、自分は大まかに以下のように区分しています。
    最近自分がデッキを組むきっかけとなった《ゴルゴンの世捨て》を例に挙げて説明します。

     

    <一貫>
    MtG界隈では、「同じ能力のカードが2種(=8枚)以上あればデッキコンセプトになりうる」と言われます。それです。
    《ゴルゴンの世捨て》であれば、「マッドネス」でヒットする《台所のインプ》などのカードがこれにあたります。
    「信心が濃い」「バジリスク能力」などの観点でも、それぞれ一貫するカードを探せますが、ここでは割愛します。

     

    <直接的シナジー>
    いわゆる噛み合いカード。
    《ゴルゴンの世捨て》なら、「捨て」でヒットするカード群がこれにあたります。

     

    <間接的シナジー>
    <一貫>と少し近いですが、カードを一つもしくは複数挟んで噛み合いが良いカードです。
    《ゴルゴンの世捨て》なら、マッドネス能力と噛み合う「引いて捨てる」効果、それと噛み合う「蘇生」能力、更にそれと噛み合う切削効果…のように、どんどん広げていくことができます。
    もちろん、広げすぎると一貫性のないデッキになってしまいますが、今やっているのは情報収集。要らないものは後で捨てればいいのです。

     

    <戦略的シナジー>
    一歩進んで、「そのカードやシナジーでどう勝つか?」という観点で噛み合いの良いカードがこれにあたります。
    《ゴルゴンの世捨て》なら、これ自身が強く勝ちに向かうカードではないことから、「これで盤面を抑えつつ他のカードでライフを削り切る」を目指すのが適切に思えます。
    そうなると、回避能力持ちのクリーチャーや、相手ライフを直接攻めるカードなどがこれに該当しそうです。

     

    <そのカードに対する補完>
    そのカードが仮想的と向き合った時に問題となる欠点を補えるカードです。
    《ゴルゴンの世捨て》なら、《グルマグのアンコウ》・飛行クリーチャー・システムクリーチャーには何もできないこと、破壊効果にスタックしての《儚い存在》に無力という欠点を、《喪心》のような除去なら補ってあげられそうです。

     

    <そのカードによる補完>
    逆に、そのカードが欠点を補ってあげられるカードです。
    《ゴルゴンの世捨て》の例は、うまい例が思いつかないので割愛。

     

    なお、Wisdom Guildのカード検索でPauperのカードを探すうえでのノウハウや注意点については、別コラムで補足予定です。
    一つだけ書いておくと、「コモンで絞ってもPauperで使えないカードがヒットする場合がある」ことには注意が必要です。

     

    ②B:先駆者が残した手掛かりを探す

    そのカード自体や、②Aで見つけた仲良しカードなどを使ったデッキが過去に無いか探します。

     

    ここで大事なのは、今しているのは「引き出しを増やす」ための調査であり、必ずしも実績を残したデッキである必要はないという点です。
    皆が知ってる入賞リストのカードだけで《ゴルゴンの世捨て》が輝けるのなら、もう輝いているはずですからね。
    大会入賞リストで絞り込まず、ユーザが自由に登録したようなリストも検索対象に含めましょう。

     

    とにかくそのカードや似たギミックを使ったデッキリストをたくさん漁り、新たなカードの引き出しや、その制作者はそのカードをどう捉えていそうか?など、どんどん情報を増やしましょう。

     

    自分は以下でよく検索します。
    ・晴れる屋
    ・mtggoldfish
    ・TappedOut
    ・Google(PauperMTGやブログ記事など)

     

    ②C:詳しい人に相談
    一番初心者向け。
    個人的には、MTG初心者タグでツイートを放り投げて待つより、詳しそうな人に直接相談しちゃうのがオススメです。大会やオフ会で楽しく話せた方に相談するとか、Twitterで繋がって相談するとか、そういう感じで。

     

    ここで重要なのは、「自分が何をしたいのか考えておく」ことです。
    「トップメタに張り合いたいのか、身内でカジュアルに遊びたいのか」「既に構築のイメージができているかどうか」「漠然と悩んでいるのか、何か具体的な課題に悩んでいるのか」のような情報があるか無いかで、その相談の価値が断然変わります。
    あえて悪い言い方をすれば「相手の時間を奪う行為」ともいえるので、その時間を無駄にしないための礼儀という意味でも、ある程度準備してから相談することをおすすめします。(元々仲良い相手なら、雑談の延長として適当に相談しちゃってもいいと思いますけどね!)

     

    ■③:《思案/Ponder》

    調査に満足したら、洗い出したカード情報をもとに、どんなデッキが作れそうか?どのくらいの強さを目指せそうか?得られるプレイ体験は楽しめそうか?など、想像して見込みを立てます。

     

    そして、「そのカードで自分は何をしたいのか?」という要件と改めて向き合い、実現を諦めて引き返すのか、可能性に賭けて突き進むのか、判断しましょう。

     

    ■④:試作/Prototype

    揃った情報をフル活用して、プロトタイプを作りましょう。

     

    ここで大事なのは「可能性を切り捨てないこと」です。

    例えば《ゴルゴンの世捨て》であれば、マッドネスは前提としつつ、マッドネス以外の要素については自由度が高く、バーン軸?ドレイン軸?信心軸?サクリファイス軸?コントロール軸?それらのハイブリッド?など、色々考えられます。色も、黒ダブルシンボルのスムーズな捻出だけは必須として、タッチカラーは色々と可能性が持てるでしょう。多色化に伴い、《バジリスク門》の採用も選択肢に入るかもしれません。

    仮想敵への回答が何かしら用意できそうだと思った候補は、全部組みましょう。

     

    なお、前述のDECK-UPを使用していれば、カードを検討からメインなりサイドなりにずらして枚数調整することで簡単に組みやすいです。

     

    ■⑤:《孤独な鍛錬/Tempered in Solitude》

    デッキを調整しながら一人回しを重ねます。

     

    Webやアプリの一人回し機能でもよし、紙でもよし、方法は何でもいいです。
    自分は奴隷労働の出退勤で毎日往復三時間くらい持っていかれることや、細かい空き時間にも構築を詰める手段が欲しいこともあり、その時にできるDECK-UPの一人回し機能が定着していますが、自分の生活サイクルに合う方法を選びましょう。

     

    以下を満たすまでは続けましょう。
    ・マナベースや安定性、カード間の相互作用が問題ないこと(問題なくデッキが回ること)
    ・求めるプレイ体験を満たせそうであること
    ・具体的な仮想敵を対面にイメージした上で一人回しして、勝てること

     

    ■⑥:《勇壮な対決/Epic Confrontation》

    一人回しで満足するラインに達したら、あとは実践です。
    大会なりフリプなり、お好きな形でどうぞ。

     

    ここで何かしら一人回しの時点からのギャップがあれば、一人回しの仮想敵イメージの精度に不足があったということになります。少し反省しつつ、必要に応じて修正していきましょう。

     

    ■おわりに

    おわり!

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