Pauperのすゝめ③ -実戦編動画のデッキ説明-

  • 2022.4.15
    デッキ紹介
    OONS

    ■はじめに

    まずは動画をどうぞ。

     

    今回のコラムは、動画で使用したデッキ、そして今回プレゼント企画で用意したデッキに関する、簡単な説明記事になります!

     

    ■続唱ランプ(ジャンド続唱) デッキリスト

     

    ・マナ加速
    4:《浄化の野火/Cleansing Wildfire》
    2:《地操術士の計略/Geomancer’s Gambit》
    4:《ラノワールの幻想家/Llanowar Visionary》

     

    ・重いクリーチャー陣
    4:《サルーフの群友/Sarulf’s Packmate》
    3:《暗影の蜘蛛/Penumbra Spider》
    2:《真紅艦隊の准将/Crimson Fleet Commodore》
    4:《乗り込み部隊/Boarding Party》
    3:《苛立つアルティサウルス/Annoyed Altisaur》

     

    ・延命手段
    4:《稲妻/Lightning Bolt》
    3:《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
    3:《喪心/Cast Down》
    2:《嵐の乗り切り/Weather the Storm》

     

    ・土地
    4:《暗闇苔の橋/Darkmoss Bridge》
    4:《鉱滓造の橋/Drossforge Bridge》
    4:《熔融林の橋/Slagwoods Bridge》
    4:《森/Forest》
    4:《山/Mountain》
    2:《沼/Swamp》

     

    ・サイドボード
    1:《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
    2:《嵐の乗り切り/Weather the Storm》
    2:《古えの遺恨/Ancient Grudge》
    2:《強迫/Duress》
    2:《焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade》
    2:《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
    2:《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
    1:《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
    1:《墓の刈り取り/Reaping the Graves》

     

    画像付きリストはこちら ⇒ 続唱ランプ

     

    ■続唱ランプ(ジャンド続唱) ざっくり説明

    ・コンセプト

    赤と黒のクリーチャー除去で相手の攻め手を凌ぎながら、《浄化の野火》《ラノワールの幻想家》でマナを伸ばしていき、マナコストが重い代わりに強力なクリーチャーを素早く叩き付けてサイズとアドバンテージで圧殺します。
    3色デッキなので、サイドボードから多彩なカードを投入できるのも強みです。

     

    ・ギミック①:《浄化の野火》コンボ

    《浄化の野火》を、自分の「破壊不能」持ち土地を対象として唱えます。
    すると、破壊不能なので土地の破壊には失敗しつつ、その土地のコントローラーである自分がデッキから基本土地を1枚場に出しつつ、カードを1枚引くことができます。

     

    コモンの一般的な「デッキから基本土地を場に出す」呪文は、同じく2マナで「デッキから基本土地を1枚場に出す」だけなので、それに加えて1枚カードを引けるというのは破格のコスパです。

     

    《地操術士の計略》も同じような効果があり、1マナ重い代わりに持ってきた基本土地をアンタップインできるので、差し引きで実質2マナの呪文となっています。

     

    ちなみに、これらはマナ加速だけではなく、場合によっては相手の強力な土地(《ウルザの塔》など)を破壊して基本土地にしてしまう使い道もあります。

     

    ・ギミック②:続唱クリーチャー

    両方とも6マナ以上と重いですが、追加でカードを1枚ノーコストで唱えられるため、実質的にはその分お得に唱えることができます。

     

    例えば、《乗り込み部隊》で《サルーフの群友》(カードを1枚引く3/3クリーチャー)がめくれた場合を考えましょう。
    たったの6マナで、「6/3速攻のクリーチャーを出し、土地を除けながらカードを1枚引き、引き込んだ3/3のクリーチャーをそのまま出し、さらにカードを1枚引いた」ことになります。
    こう見ると、コスパがよく見えてきますね。

     

    この続唱ギミックを活かすため、デッキとしてもできるだけ「めくれたけど意味がない」呪文が無いよう寄せています。
    マナ加速用のカード全てにドロー効果が付いていて、マナが伸び切ってマナ加速が要らなくなってからでも仕事ができるカードになっているのも、そういう理由です。

     

    ・ギミック③:統治者

    統治者は「アタックを通さなければ延々と0マナでアドバンデージ差をつけられる」という強力な能力ですが、フェアリー・ボロス・青白系などの飛行クリーチャーによって1点削られるだけでも奪われてしまうというリスクがあります。

     

    しかしこのデッキでは、《稲妻》《喪心》などの強力な除去呪文に加えて、到達持ちかつサイズの大きい《暗影の蜘蛛》《苛立つアルティサウルス》による圧倒的な防衛力で統治者を守り抜き、アドバンテージを稼ぎ続けることができます。

     

    ・弱点

    クリーチャーをブロックしたり除去したりすることには長けたデッキなので、逆に「クリーチャー除去が効きにくいコンボデッキ」の相手は苦手です。
    また、4マナ域によるブロックでは対処として全然間に合わないような超高速のアグロデッキも、一部の刺さるカードを引けないと押し切られてしまいがちです。

    それと、続唱は基本的には簡単にアドバンデージを取れますが、《焦点の喪失》という「複数の呪文をまとめて打ち消すことができる」呪文を相手が採用していると、続唱先までまとめて打ち消されて一気に不利になってしまうので気を付けましょう。

     

    ■黒単信心 デッキリスト

     

    ・クリーチャー
    3:《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》
    4:《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
    4:《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
    2:《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
    4:《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
    2:《発掘/Unearth》

     

    ・クリーチャー除去
    4:《汚涜/Defile》
    4:《喪心/Cast Down》
    4:《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
    2:《墓所のネズミ/Crypt Rats》
    1:《息詰まる噴煙/Suffocating Fumes》

     

    ・ドロー
    4:《血の署名/Sign in Blood》

     

    ・土地
    17:《沼/Swamp》
    2:《やせた原野/Barren Moor》
    3:《魔女の小屋/Witch’s Cottage》

     

    ・サイド
    2:《神への債務/Debt to the Kami》
    2:《精神ねじ切り/Wrench Mind》
    1:《ゲスの評決/Geth’s Verdict》
    4:《強迫/Duress》
    2:《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
    1:《予想外の牙/Unexpected Fangs》
    2:《抜去/Divest》
    1:《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi》

     

    画像付きリストはこちら ⇒ 黒単信心

     

    ■黒単信心 ざっくり説明

    ・コンセプト

    アドバンデージを稼ぎつつ最低限のサイズを持ったクリーチャー陣による押し付けの強さと、黒単の強みである《汚涜》を中心とした優秀な除去呪文による受けの強さを兼ね備えた、コントロールに近いミッドレンジデッキです。
    単色のため、事故が少なくテンポが良いのも持ち味です。

     

    ・ギミック①:信心

    《アスフォデルの灰色商人》は、「自身の盤面にあるパーマネントのマナコストに含まれる黒マナシンボル数」を参照してライフをドレインします。

     

    特に《クォムバッジの魔女》《騒がしいネズミ》は、信心要素を度外視しても強力なアドバンテージクリーチャーではありますが、1枚で信心を2つ稼げて強力です。
    《アスフォデルの灰色商人》自身も黒マナシンボルを2つ持っているため、よほどの消耗戦にならない限り、3~6点くらいはドレインできることが多いです。

     

    なお、今回のリストには入っていませんが、相手から対処されにくい信心要素として《土牢》が入って来ることもあります。

     

    ・ギミック②:統治者

    ジャンド続唱でも言及した統治者ですが、このデッキは飛行クリーチャーをブロックする手段が少ない代わりに、タップイン土地がほとんど無いことによる序盤のテンポの良さと、《墓所のネズミ》《息詰まる噴煙》という全体除去によって、統治者を維持することを目指します。

     

    あまりパワーの高いクリーチャーがいるわけではなく、ロングゲームになることが多いデッキなので、この統治者エンジンはそういったゲームを制するうえで重要です。

     

    ・ギミック③:直接ダメージ

    《アスフォデルの灰色商人》によるドレインでライフ差を付けた後は、この《墓所のネズミ》のプレイヤーダメージで勝ちに行くプランもあります。

    ただのクリーチャー全体除去としてだけでなく、勝ち手段としても使っていきましょう。

     

    ・弱点

    あまり極端な相性関係は無い印象ですが、強いて言えば「《熟考漂い》などこちら以上にアドバンテージを稼ぐ相手」でしょうか。
    また、少しゆったりめなデッキであり、ライフ回復の手段も基本的には《アスフォデルの灰色商人》しか無いので、「ブン回りが強いデッキにブン回られると対処が間に合わない」という側面もあります。

     

    ■白単英雄的 デッキリスト

     

    ・クリーチャー
    4:《ラゴンナ団の先駆者/Lagonna-Band Trailblazer》
    4:《アクロスの空護衛/Akroan Skyguard》
    4:《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》
    3:《聖なる猫/Sacred Cat》

     

    ・強化オーラ
    4:《結束のカルトーシュ/Cartouche of Solidarity》
    4:《天上の鎧/Ethereal Armor》
    3:《歩哨の目/Sentinel’s Eyes》

     

    ・クリーチャー保護
    4:《ハイエナの陰影/Hyena Umbra》
    2:《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
    4:《無傷の発現/Emerge Unscathed》
    3:《ケイラメトラの恩恵/Karametra’s Blessing》
    4:《慈善の祝福/Benevolent Blessing》

     

    ・土地
    15:《平地/Plains》
    2:《隔離されたステップ/Secluded Steppe》

     

    ・サイドボード
    3:《絆魂/Lifelink》
    3:《死者の代弁者/Death Speakers》
    3:《断片化/Fragmentize》
    2:《真心のハープ奏者/Devout Harpist》
    2:《はらわた撃ち/Gut Shot》
    2:《未達への旅/Journey to Nowhere》

     

    画像付きリストはこちら ⇒ 白単英雄的

     

    ■白単英雄的 ざっくり説明

    ・コンセプト
    「英雄的」能力によって勝手に大きくなっていくクリーチャーを強化したり保護したりしつつ、巨大な単騎で相手を倒し切るアグロデッキです。
    単色のテンポの良さに、アンフェアな英雄的クリーチャーのサイズも相まって、単純な殴り合いをするデッキ相手にはかなり戦いやすいです。

     

    ・ギミック①:英雄的

    オーラやインスタントで対象に取るたび、+1/+1カウンターが増えていきます。
    そのため、攻めるためのオーラをさほど沢山使わずとも、クリーチャーを守るためのインスタントやオーラで彼らを守りながら戦うだけで、どんどん強くなり最強の生物が出来上がります。

     

    ・ギミック②:挑発

    「英雄的」能力を持っているわけではありませんが、このデッキを語るにおいて重要な枠の1つです。
    アタック時に、対象クリーチャーをアンタップさせ、このクリーチャーへのブロックに強制参加させることができます。

     

    このデッキに沢山採用しているオーラ呪文と相性が良く、例えば《結束のカルトーシュ》をつけるだけで実質的に「毎ターン、相手のタフネス2以下のクリーチャー1体を破壊する」能力のようになることができます。相手によっては、実質これとオーラ1枚だけでイージーウィンできてしまうようなこともあるでしょう。

    ただし、「英雄的」持ちと違って自力では大きくなれないので、強化オーラなしでこれだけ持っていてもあまり強くないこと、そしてこれに頼ろうとしすぎると相手によってはパワー不足で対処を間に合わされてしまうところには注意しましょう。

     

    ・ギミック③:プロテクション

    相手のクリーチャー除去呪文からクリーチャーを守る意味でも、相手のクリーチャーにブロックされないようにして素早く相手のライフを削り切る意味でも、重要な能力です。

     

    注意点としては、プロテクション(白)をつけてしまうと、《無傷の発現》であればついている白のオーラが外れてしまい、かつ自分の白の呪文でも対象に取れなくなってしまうというところがあります。
    (それでも+1/+1カウンターは残るのが、英雄的の強みでもあります)

     

    このような事態は、相手の《未達への旅》などからクリーチャーを守りたい場合や、相手の白いブロッカーを突破したい場合に発生するので、白いデッキを相手にするときは注意しましょう。

     

    なお、プロテクションのちょっと踏み入ったルール説明は別のコラムに書いてあります。
    慣れていない方には少し複雑ですが、細かいルールを知っているかどうかで動きの幅も変わってくる能力ですので、このデッキを使う場合はしっかり把握しておくのがよいでしょう。
    コラム

     

    ・ギミック④:その他クリーチャー保護

    それぞれ一長一短な、クリーチャーを守る呪文です。

     

    ・族霊鎧:
    戦闘/ダメージ呪文/破壊呪文から守ることができます。

     

    ・タフネス上昇:
    戦闘/ダメージ呪文から守ることができます。

     

    ・呪禁+破壊不能:
    Pauper環境であれば、「ほぼ全部」から守ることができます。
    強いて言えば、感染クリーチャーにブロックされた際の-1/-1カウンターなどは防げないくらいです。
    プロテクションと違って自分のオーラを剥がしたりしないので、《未達への旅》など白い除去呪文からもしっかりクリーチャーを守ることができます。

     

    相手がこちらに対して取ってくる回答に対し、対処できるこれらのカードを引き込みつつ、これらを構えるだけの土地を並べることができるか?という、ドローの噛み合いが求められるデッキであると言えます。

     

    ・弱点

    この説明を見ると全能感を覚えるかもしれませんが、意外とピーキーなデッキです。

    「打ち消しを構えながら除去呪文を打たれる」「クリーチャーを守る呪文にスタックで除去を打たれる」であったり「対象を取らない《チェイナーの布告》《天界のほとばしり》などで除去される」であったり、結果的にクリーチャーを守りきれず除去されてしまうとそのまま負けに繋がってしまう脆さがあります。

    また、《虹色の断片》《一瞬の平和》《石角の高官》などのコンバット否定戦略に対して、あまりしっかりした抵抗をする手段が無いため、それらを使い回してくるデッキ相手にも苦戦を強いられがちです。

     

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