Pauper神決定戦の思考録 -当日レポ-

  • 2022.8.5
    レポート
    OONS

    ■はじめに

    前回コラム(⇒リンク)の続きです。

     

    今回は当日レポ。

     

    ■戦績

    ①アグロ親和 ××

     

    《マイアの処罰者》は当然として、《歯車襲いの海蛇》《鋼ヒレの鯨》《厳粛な空護り》まで入って、シンプルに生物を唱えて殴ることに寄せた親和でした。
    2戦とも3~4ターン目あたりから毎ターン2体くらい展開され、シンプルに捌ききれず敗北。

     

    今回のデッキで一般的な親和への不利を覆すために考えていたプランが全然刺さらず、「親和側に少し形を変えられるだけで脆く崩壊してしまうプラン」を立てざるを得なかったことが悔やまれ、黒単そのものの難しさと自分自身の実力不足に歯噛みしたことを覚えています。

     

    ちなみに、相手の方はチャンネルを見てくれていたどころか、PFP発表時の記事から自分の下の名前まで覚えてくださっていて、嬉しいやら悔しいやら、情緒がグチャグチャになったことも覚えています。

     

    ②赤単ブリッツ ◯◯

     

    シンプルに、除去+ブロッカーの枚数で相手のクリーチャー枚数を上回って勝ち。

     

    ちなみに、晴れる屋さんのインタビューはこのタイミングで受けました。

     

    ③エルフ ◯×◯

     

    1本目と3本目は《クォムバッジの魔女》《息詰まる噴煙》《墓所のネズミ》で盤面クチャクチャにして勝ち。

     

    2本目は、最序盤に置かれた《蜘蛛糸の鎧》×2の牙城を崩せないまま、頭数とタフネス上昇を活かしてカリカリ削り切られ負け。
    今回のリストで《アスフォデルの灰色商人》を抜くのは割と適切なサイドボーディングではないかと思ってはいますが、こういうリスクがついてきますね。

     

    ④URフェアリー ◯×◯

     

    基本的には、UR側の忍者エンジンを機能させないように除去やブロックを最優先タスクとしつつ、ゆっくり3マナ域による2:1交換を仕掛けていくなり、《クォムバッジの魔女》《息詰まる噴煙》《墓所のネズミ》を叩きつけるなりして勝つのが基本になります。その通りに動き、勝てました。

     

    2本目負けた理由は正直覚えてませんが、たぶん統治者からテンポ取られて負けたとかそんなんだと思います。こちらの3~5マナを1マナで除去して来る上、3マナ域と同等のアクションを2マナでやってくるため、テンポでは敵いません。

     

    ⑤ジェスカイ ××

     

    ここで2敗目、目無しに。

    1本目が一番悔しい負け方で、盤面管理に注力しすぎて&プレイ時間を速くしようと焦りすぎて、《クォムバッジの魔女》の本体火力を絡めた勝ち筋を一つ見落としてしまい、起動せずターンを貰ってからそのルートに気付いて、そのまま負けてしまいました。仮に気付いていたとしても、そのルートを通せていたかはわからない(というか相手の動きを考えると多分通りはしなかった)のですが、それでも最後の可能性を潰したのは自分でした。
    この日初の「自分ですぐ気付けるレベルのプレミ負け」であり、かなり落ち込みました。

     

    2本目は、《古術師》対策の墓地対策を使う場面なく腐らされながら、他のパワームーブで普通に盤面負け&アド負けし、「墓地対策が効かない(《古術師》がただの4/1/2バニラになろうと特段問題ない)」状況になってしまいました。

     

    1本目はただのプレイング面の過ちもありますが、2本とも調査不足が色濃く出たとも言える勝負でした。

    ジェスカイというデッキが、「ケンクとイニシアチブによって強くなったジェスカイコントロール」ではなく「サブプランとしてジェスカイコントロールのエンジンを持つ、新たな”ジェスカイミッドレンジ”」になっていることに気付かず、ジェスカイコントロールの延長として見据えたプランニングをしてしまったことが間違いだったと言えます。

     

    ⑥グリクシス親和 ×○×

    想定していたほうの親和。のはずが…

     

    たしか、1本目は《マイアの処罰者》《血の泉》絡めた動きで普通に押し切られて統治者も奪われ負け。3本目は《汚涜》《クォムバッジの魔女》を引けないところに《ケンクのアーティフィサー》を出され、布告が通らず3/3飛行に押し切られて負け…のはず。
    どっちか(どっちも?)はそもそもかなり事故って頭を抱えた記憶はあるんですが、マナフラだかマナスクだか思い出せません。
    ※3本目にほぼ必要なサイドを引けなかったこともあり、1本目と3本目の記憶が混濁しています。

     

    取れた2本目は少し特殊で、目無しだったこともあり「予定してたプランと違うけどランデス試してみるか」と試したらしっかり序盤に2枚引いて勝てました。正直運勝ち。

     

    ⑦ゴブリントークン ××

     

    思い出したくもない大事故負け。
    シンプルに何も引かず負けたので、語るところはないです。

     

    ⑧マルドゥペスト ◯◯

    たなべさん。

     

    相性的にかなり厳しいと見込んでいたマッチアップでしたが、2本とも《物騒なバトルレイジャー》が暴れて勝ちました。
    マナ加速とかに採用枠を割いてくれた影響か、それとも単に運でか、有効な除去を全然引かれなかったのが幸いしました。
    初か久々かわかりませんが、たなべさんと遊べたのは良かったです。

     

    ⑨ジャンドアグロ ◯◯
    ufoさん。

     

    身内戦&最終戦だったこともあり、なんかもう競技であることを忘れて楽しく戦ったことはよく覚えています。
    とにかくどっちが盤面マウント取り切るかの勝負で、《稲妻》《炎の印象》《終止》などでテンポ良く除去されて必死になりながらこちらも除去を連打して消耗戦。更地に統治者出しても返しに除去+速攻で一瞬で掠め取られる異常事態でした。

     

    最終的には、消耗戦の中でどうにか統治者だかイニシアチブだかのリソース勝ちして、ちまちまクロック並べて勝ったはずです。きっと。

     

    ■全体通した感想

    やりすぎなくらい意気込んで頑張ってしまったところに加えて、さいとーさんにめちゃくちゃ時間かけてサポートしてもらったところもあり、かなりの重圧を勝手に感じながらの参加でした。

     

    解説参加のために来たさいとーさんと会った時も申し訳なさが勝って正面から目を合わせられず、全試合終わった後も耐えきれず店外に逃げて涙を流し、若干茫然自失な状態で飲み会に行ったことを記憶しています。

     

    自分は中学高校にマイナスを抱えたタイプの人間で、運動部などでよくある(と勝手に思っている)青春体験をスキップしてきたことに多少のコンプレックスを抱えていたのですが、今回の神決定戦で30歳にして想像の中の”青春体験”とほぼ同じような経験をすることができ、貴重な体験だったなと思っています。
    この少し後のパウサミ開催もなんだか文化祭みたいで、最近なんだか「やっとまともな人間になれたことで、昔落としてきたものを一つずつ拾い直している」ような感覚があります。

     

    …ただ、とはいえ消費カロリーもかけた時間も(このコラムのアウトプット含め)簡単に用意できるものではなく、どうやら神決定戦は3か月周期であるそうなのですが、今回と同等の熱量で臨むのは厳しいだろうな~と感じています。
    今回の体験は今回の体験で大事に取っておきつつ、今後は割とカジュアルに(余裕あればちゃんと力入れて)参戦するスタンスになりそうです。

     

    ■反省点

    神決定戦を終えて一息つき、見えた反省点についての振り返り。

     

    ・ジェスカイに対する認識不足

    基本は⑤に書いた通りです。

    ケンクとアーラコクラの追加によって、過去のジェスカイコンとは別デッキと言ってもいい程にカード単体単体のバリューが上がっていて、墓地対策がどうとかの次元ではありませんでした。
    そのため、ジェスカイに対しては墓地対策で勝ちに行く思想ではなく、タフネスが高く押し付けが強い《物騒なバトルレイジャー》を押し付け切って勝つ思想を持つべきだったと考えています。つまり《物騒なバトルレイジャー》の増量です。

     

    「親和に勝てない」という理由から、2枚に抑えつつ全体構成もイニシアチブ特化から離れましたが、対親和のためにこれだけ歪ませても結局噛み合いで負けてしまっていますし、実際のところ当日の親和は狩られる側のデッキだった(おそらく勝ち続ければ当たりにくかった)こともあり、結果論が入りますが「無理に歪ませるよりも《物騒なバトルレイジャー》に寄せ切ってしまった方が良かった」と結論付けていいと思います。

     

    ・墓地対策の選定

    ジェスカイ・親和に対する反省点の延長です。

     

    特にジェスカイに対して、明確に「カード1枚1枚の単価」で劣っていることが明確だった以上、テンポを阻害しない代わりにアドバンテージを損なう《フェアリーの忌み者》に寄せ切ってしまうと、結局アド差をつけられず墓地対策の効果も薄れてしまうように思えました。

     

    また親和に対しても、近いところがありました。
    例えば、ケンクに対応する《汚涜》《クォムバッジの魔女》が引けずに負けた勝負であれば、もし《フェアリーの忌み者》の代わりに《虚無の呪文爆弾》であればそれらのカードを引きに行って勝てたかもしれません。
    少し上に書いた話ですが、端的に言えば「歪ませすぎた」というところかなと。

     

    デッキ調整のコラムに書いた思想は、あれはあれで正しい部分もあるので《フェアリーの忌み者》の枠を置くこと自体は間違っていないと思いますが、4積みではなく一部を《虚無の呪文爆弾》《大祖始の遺産》に譲るべきだったと思います。

TOP

© Copyright pauperMTG.com