男もすなる貧者統率者といふものを、松籟もしてみむとてするなり。
それの年(令和参年)のはづきぼう日の、午の時に門出す。そのよしいさゝかものにかきつく。
(現代語訳:PauperEDH《氷刻み、スヴェラ/Svella, Ice Shaper》について解説します。スヴェラの年収は?彼氏は?調べてみました!)
初めてのPauperEDHなので、まずは通常の統率者との違いを理解するところから始めました。
勝利のために必要なことは宮本武蔵が著した『五輪書』に全て書かれています。
・カードプールに存在する除去の把握
・ゲームスピードの把握
・主要勝ち手段の把握
・ユーティリティカードの把握
上記を理解することで零へと至り最強に成ることが可能だそうです。諸説!
環境把握と偉そうなことを言ったものの、ルールの関係もあって情報はPauperEDHの動画2本しか無いのでもうあとは脳内シミュレーションしかありません。
「PauperEDH 環境 情報」でググったら5番目は車とオートバイに関する英語の記事だし6番目はポケモンカードのブログでした。
せめてマジック:ザ・ギャザリングであってくれよ!!!
とりあえず無い知恵絞って把握できたこと。
・アーティファクトを全て破壊するカードが存在しない
・ダメージ以外の全体除去が存在しない
・サーチカードはほぼ無い
・無限コンボは無くもないが成立はかなり遅い
・ライフが少ないので通常ダメージによる勝利がメイン
個人的に一番大きな違いと感じたのは、アーティファクトカードの生存率の高さ。
通常の統率者と違って《魔力の墓所/Mana Crypt》や《太陽の指輪/Sol Ring》は無い代わりに
《進歩の災い/Bane of Progress》等によってまとめて割られる事が無いため、ほぼノーリスクでマナアーティファクトを展開出来ます。
そしてこれは通常のPauperと同様ですが、全体除去がダメージ由来しか存在しない&単体除去を多く採用すると悪手な条件が相まって高タフネスなファッティの生存率が高い。
・・・おわかりでしょうか。
つまりこの環境は高火力高耐久なクリーチャーを高速展開してダメージレースを有利に進める「役割論理」が
成立するということですなwwwんんwww高P/Tのフレンチバニラヤリーチャー以外ありえないwww
・・・一旦落ち着きましょう。
「高速でマナ加速し、ファッティを叩きつけ続ければ勝つ」という結論に至り、その理論に完全にマッチする統率者を探していたらティンとくる子を見つけました。君のような人材を求めていたんだ!統率者とか興味ない?せめて名刺だけでも!
というわけで
《氷刻み、スヴェラ/Svella, Ice Shaper》です。
設定によると彼女は魔法の才と、教養ある芸術への愛を持つトロールだそうです。”彼女”なので女性です。
《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka》然り赤緑カラー担当は女性率が高いですね。
彼女の魔法と芸術2つが能力として表現されています。
1つ目の能力(芸術):マナ加速
手札を消費せずに毎ターンマナ加速が行えます。出てくる《氷のマナリス/Icy Manalith》はアーティファクトですぐにマナを出せるので、そこから更にマナ加速に繋げることが出来ます。
《氷のマナリス/Icy Manalith》は彼女の作る芸術作品の彫刻をイメージしており、スヴェラのレゾンデートルってプレゼンテーションそのものなんです。
2つ目の能力(魔法):呪文のキャスト
8マナ払うとライブラリー上から4枚のカードのうち1枚をタダでキャスト出来ます。タダ(8マナ)。
単純計算だと8マナ以上のカードがめくれないと損ですが、1つ目の能力と同様手札を消費せずにキャスト出来るので贅沢は言えません。
我々プレインズウォーカーの魔法を再現しているため呪文は唱えた扱いです。
打ち消すことが出来るので注意です。別にそこまで再現しなくていいのに!
通常の統率者での使用にも耐えるスペックを持っていると思います。カード1枚1枚のパワーが落ちているので2番目の能力は弱体化していますが、
逆に先述の通りアーティファクトの生存率が上がっているので1つ目の能力は強化されています。
スタッツも2/4と赤の全体2点火力、単体3点火力を耐えるため除去耐性は高めです。
環境に存在するかわかりませんが《ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact》も止められます。
■統率者
1:《氷刻み、スヴェラ/Svella, Ice Shaper》
■土地
1:《お菓子の小屋/Gingerbread Cabin》
1:《平穏な茂み/Tranquil Thicket》
1:《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
1:《灰のやせ地/Ash Barrens》
1:《高地の森/Highland Forest》
1:《グルールの芝地/Gruul Turf》
1:《岩だらけの高地/Rugged Highlands》
1:《進化する未開地/Evolving Wilds》
1:《光輝の泉/Radiant Fountain》
1:《統率の塔/Command Tower》
1:《砂漠/Desert》
1:《憑依された沼墓/Haunted Fengraf》
1:《オパールの宮殿/Opal Palace》
13:《森/Forest》
6:《山/Mountain》
■クリーチャー(マナ加速)
1:《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
1:《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
1:《東屋のエルフ/Arbor Elf》
1:《ヴィリジアンの密使/Viridian Emissary》
1:《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
1:《ラノワールの幻想家/Llanowar Visionary》
■クリーチャー(デカ物)
1:《コジレックの媒介者/Kozilek’s Channeler》
1:《トレストの随員/Entourage of Trest》
1:《議事会の自然主義者/Conclave Naturalists》
1:《ネシアンのアスプ/Nessian Asp》
1:《鬱蒼たるアルマサウルス/Overgrown Armasaur》
1:《電光吠えのドラゴン/Sparktongue Dragon》
1:《ムラーサのビヒモス/Murasa Behemoth》
1:《貪欲なリンドワーム/Ravenous Lindwurm》
1:《乗り込み部隊/Boarding Party》
1:《蜂蜜マンモス/Honey Mammoth》
1:《果樹園の精霊/Orchard Elemental》
1:《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
1:《群喰らいのヒル・ジャイアント/Hill Giant Herdgorger》
1:《溶岩の海蛇/Lava Serpent》
1:《夕暮れ谷のワーム/Duskdale Wurm》
1:《苛立つアルティサウルス/Annoyed Altisaur》
1:《燃え心臓の巨人/Cinderheart Giant》
1:《破滅の昇華者/Ruin Processor》
1:《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》
1:《破壊獣/Wrecking Beast》
1:《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》
1:《木立を歩むもの/Walker of the Grove》
1:《エルドラージの壊滅させるもの/Eldrazi Devastator》
1:《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
1:《大渦の巨人/Maelstrom Colossus》
1:《古代ブロントドン/Ancient Brontodon》
1:《甲鱗のワーム/Scaled Wurm》
1:《エムラクールの手/Hand of Emrakul》
■クリーチャー(そのほか)
1:《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
1:《ゴブリンの壊乱術士/Goblin Anarchomancer》
1:《谷の商人/Merchant of the Vale》
1:《カビのシャンブラー/Mold Shambler》
■マナ加速
1:《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
1:《繁茂/Wild Growth》
1:《楽園の拡散/Utopia Sprawl》
1:《壊れた絆/Broken Bond》
1:《不屈の自然/Rampant Growth》
1:《グルールの印鑑/Gruul Signet》
1:《肥沃な大地/Fertile Ground》
1:《ニッサの巡礼/Nissa’s Pilgrimage》
1:《耕作/Cultivate》
1:《はびこり/Overgrowth》
1:《眷者の装飾品/Bonder’s Ornament》
■除去
1:《稲妻/Lightning Bolt》
1:《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
1:《削剥/Abrade》
1:《焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade》
1:《存在の一掃/Scour from Existence》
■ドロー・サーチ・強化など
1:《怨恨/Rancor》
1:《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
1:《紆余曲折/Winding Way》
1:《安堵の再会/Cathartic Reunion》
1:《胸躍る可能性/Thrill of Possibility》
1:《過去との取り組み/Grapple with the Past》
1:《苦しめる声/Tormenting Voice》
1:《ドラゴンの息/Dragon Breath》
1:《弧状の稲妻/Arc Lightning》
1:《暴走の先導/Lead the Stampede》
1:《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
1:《予想外の授かり物/Unexpected Windfall》
1:《自然の再生/Natural Reclamation》
統率者構築のセオリーに則り金太郎飴を意識して構築しています。
そのためプレイングは
マナ加速→手札のファッティをキャスト→手札が枯れたら《氷刻み、スヴェラ/Svella, Ice Shaper》の能力でファッティをキャスト→勝利
と非常にシンプルです。
トップ4枚めくって有効なカードが捲れるかどうかですが、5マナ以上の呪文がめくれる確率は75%程度、
ガオガイガーの手動合体成功率がサポート込みでも60%なことを考えると十分な確率と言えます。
ポケモンの技でいえば「ねむりごな」の命中率と同じくらいです。そう聞くとダメな気がしてきました。
・マナ加速
《氷刻み、スヴェラ/Svella, Ice Shaper》着地からの能力を含めた1ターン2回以上のマナ加速を行うため、マナ加速呪文は軽めのものを採用しています。
環境(存在するのか?)でどれくらい全体1点があるか不明なため、1マナエルフをどれくらい採用するかは検討の余地があります。
(現代語訳:《フィンドホーンのエルフ/Fyndhorn Elves》と《ボリアルのドルイド/Boreal Druid》は手持ちで余っていませんでした)
・クリーチャーの採用について
各種エルドラージや《古代ブロントドン/Ancient Brontodon》、氷河期の厄災の象徴など、とにかく片っ端からファッティを採用していますが、
その他の採用基準としてEtB能力でライフゲインを行えるファッティを優先的に採用しています。
ハンドアドバンテージは《氷刻み、スヴェラ/Svella, Ice Shaper》の能力で不要ですが、初期ライフが30点と低いので回復が重要と判断しました。いのちをだいじに。
《蜂蜜マンモス/Honey Mammoth》、《果樹園の精霊/Orchard Elemental》、《群喰らいのヒル・ジャイアント/Hill Giant Herdgorger》等が例として挙げられます。
まぁ結果的に最強のライフゲインカードは《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》だったんですけどね。
また、クリーチャーとマナ加速を多めに採用した結果除去呪文のスロットが少ないため、除去や置物破壊の役割をこなせるクリーチャーも採用しています。
《議事会の自然主義者/Conclave Naturalists》、《電光吠えのドラゴン/Sparktongue Dragon》、《燃え心臓の巨人/Cinderheart Giant》等が例として挙げられます。
《燃え心臓の巨人/Cinderheart Giant》は撮影でも活躍してくれていますね。こういう時に限ってガチャ運良いのなんなんですかね。
・その他
金太郎飴の欠点である、序盤や終盤に不要牌が手札にきてしまうという脆弱性をこのデッキも有しているため、赤の後引きルーター呪文を多く採用しています。
《予想外の授かり物/Unexpected Windfall》は実際に唱えるまで生成される宝物トークンは1つだけだと勘違いしていました。
Tips:テキストをちゃんと読むとカードの本来の力を把握できてゲームを優位に進められるぞ!
採用するカードは正直何でもいいですが、《氷のマナリス/Icy Manalith》トークンは5枚程度では全然まっっったく足りないからたくさん買っておきましょう!!!!