モダンホライゾン2コモンレビュー

  • 2021.6.4
    カード紹介
    OONS

    はじめに

     

    OONSです。
    国民の義務であるPauper目線のコモンレビュー記事です。

     

    なお、スケジュールの都合でいつもの三人語り動画は少し先になりますが、そちらも楽しみにお待ちください。

     

    ■ストーム

    ・《騒鳴の嵐》
    とうとう来てしまった《巣穴からの総出/Empty the Warrens》。
    禁止されるかどうかは色々と言われていますが、なんにせよ使いたい方は是非お早めに。

     

    ・《電位式リレー》
    第二のストームカード。
    これ自体は何もしないので、大量のストームから《騒鳴の嵐》の次弾装填を担うような役割でしょうか。
    《墓の刈り取り》のようなアドバンテージ取得カードとしては、ソーサリーなのでちょっと厳しそうです。

     

    ■親和

    ・《滞留者の相棒》
    《マイアの処罰者》のちょっと上位互換。
    上位互換が出たことというより、「《マイアの処罰者》を8枚積める」というのがかなり大きいです。
    Pauper親和における三大アンフェア要素のうち一つが8枚になり、これまで以上のアンフェアな押し付けを図ることができるでしょう。
    ※三大アンフェア要素、残りの二つは皆様の心の中に。

     

    ・二色アーティファクト土地
    アーティファクト土地が、タップインという代償を抱えつつ「二色」「破壊不能」を得ました。
    親和においては、《予言のプリズム》に頼りっきりだったマナベースの改善に寄与しつつ《ゴリラのシャーマン》の被害を軽減できますが、アンフェアなテンポが強みのデッキでもあるのでタップインというデメリットが痛く、枚数調整が難しそうです。

    また、親和はマナベースの都合からこれまで基本的に3色以上で組まれていましたが、この土地の登場により二色で色安定を目指した親和デッキも組めるようになるので、マナフィルター要素を削って純度を上げた青赤親和なども出てくるかもしれません。

     

    ・《金属の急使》
    《海門の神官》と似てますね。
    《コーの空漁師》などを採用する、ボロス統治者と親和の中間のようなタイプのジェスカイ親和において採用が考えられます。
    サイズ自体はしょうもないですが、アーティファクトカウントと飛行クリーチャーを得つつデッキを2枚掘れるので、コストパフォーマンスとしては十分でしょう。

     

    ・《エーテリウムの紡ぎ手》
    こちらはコンボ寄りです。
    即効性が無いのでトップで引いた際にはあまり強くなく、単体では適当な除去で捌かれて終わりですが、《物読み》《金属ガエル》《マイアの処罰者》など「親和(アーティファクト)」と組み合わせることで滅茶苦茶な横展開に繋げることができます。

     

    ・《波ふるい》
    普通に使う分には《熟考漂い》の下位互換に近いですが、「2マナでアーティファクトが2つ出る」「アーティファクトが十分展開された後は、2ドローに置換できる」ので、親和デッキであれば独自性を活かして活躍できる可能性はあります。
    ただ、個人的には青緑のダブルシンボルが重いことに加え、《滞留者の相棒》の追加により《甲殻の鍛冶工》のための緑を触る旨味が薄れているところもあり、微妙かなぁ…と考えています。
    (《甲殻の鍛冶工》の件については判断が難しいところですね、逆に《甲殻の鍛冶工》入りで4/4を12枚体制にするのも面白いかも?と思っていたりします)

     

    ■黒赤マッドネス

     

    今回のカード追加で新たに出てくるかもしれないアーキタイプ。
    元々マッドネスといえば赤緑でしたが、今回黒のマッドネス要素が追加されたことで黒赤やジャンドカラーでの構築も視野に入ったと思います。

     

    黒を触ることで、軽く安定した共鳴者である《拷問生活》を絡めることができるので、構築の幅は広そうです。
    (そういう意味では、全体的に拷問生活デッキの強化パーツにもなりえると言えますね)

     

     

    まずはマッドネスカードから。

     

    ・《台所のインプ》
    最大の注目株。
    1/2/2飛行速攻で、マッドネスでアドバンテージも取れる。強いです。

     

    ・《終末の苦悶》
    マッドネスになり再生不可を失った《終止》。
    軽いマナコストでアドバンテージを取りに行けて、こちらも強力。
    元々《癇しゃく》という強力なマッドネス除去はありますが、今後モダンホライゾンの影響で親和デッキが増えた場合など、4/4もエイトグも確定で持っていけるのは安心感が違います。

     

    ・《革命主義者》
    アグロ寄りであるマッドネスデッキや、クリーチャー中心である拷問生活デッキには重くて入らない気がしますが、面白いマッドネス生物としてついでに紹介を。
    《古術師》《記憶の壁》と同じ効果で、マッドネス達成すれば更にアドバンテージを取れるので、ポテンシャルは高いと思います。

     

     

    次は共鳴者です。

     

    ・《地獄の雑種犬》

    マッドネス生物でありつつ共鳴者です。
    どちらの役割もこなせることでデッキの安定性に貢献しつつ、サイズも悪くないので、これも使われそうです。
    とはいえ少し重いので、既存の赤緑マッドネスで言うところの《尊大なワーム》《無謀なるワーム》と同じく、2~3枚の採用になるのかなと見込んでいます。

     

    ・《ヴェリュス山のマンティコア》

    ピーキーですが、面白い枠として。
    無理にデッキをこれに寄せなくとも、適当な土地やマッドネス生物でもタフネス1のクリーチャーは焼けますし、メタゲーム次第では強烈なアドバンテージ生物となれそうです。最悪本体にも打てるのが嬉しいですね。
    3/4というサイズ感も、「それなりに攻撃参加もしたいシステムクリーチャー」としてちょうどいいと思います。

     

    ■サイボーグ(白単金属術)

     

    地味ながら愛好家の多いアーキタイプ、サイボーグも強化パーツが追加されています。
    (親和の方で紹介している《滞留者の相棒》については割愛します)

     

     

    ・《電結のネズミ狩り》
    ・《電結の試作機》
    1マナ域、2マナ域の「白のシンボル持ちアーティファクトクリーチャー」の追加。
    軽く最低限のサイズを持ちつつアーティファクトカウントを供給し、死んでも接合で実質的に戦場に残ることができます。
    (更地になると接合先がなくなるので、除去コン耐性が上がるというわけではなく、そこがネックではありますが…)

     

    また、《夜明けのキマイラ》や《殉教者の魂》を使用したい場合に、白のシンボル自体も採用理由になったりします。

     

    ・《鍛冶屋の技》

    地味ながら、《巨森の蔦》のような運用もできつつ、破壊不能によりコンバットトリックとして活用したり、対象がパーマネントなのでランデスから土地を守ったり、運用の幅が広いのが魅力です。

     

    ■増殖

     

    緑単増殖(OONSオリジナル)
    青緑進化(さいとーオリジナル)
    青黒感染増殖(加糖オリジナル)

    この辺りで取り上げていた、カウンター増殖ギミックの強化パーツも追加されました。

     

     

    ・《ディープウッドの住人》
    少々ロマン枠の風味は強いですが、Pauper増殖デッキのネックである「結局、デカいフレンチバニラが並ぶだけ」という部分を帳消しにしてくれます。

     

    ・《ラガークによる拘禁》
    除去とサイズアップを両立できる、+1/+1カウンターを有効活用できるデッキであれば強力なカード。
    増殖デッキで白を触ると《アイケイシアの投槍兵》のカウンターも盛ることができるので、これを絡めつつ緑白の増殖デッキを組むのも楽しそうですね。

     

    ・《都の短剣歯》

    こちらは、シンプルな増殖ビートダウンというよりコンボ目的での採用が主になりそうです。
    このクリーチャーに+1/+1カウンターを載せる(もしくは《オパールの腕甲》を装備する)ことで、「1点喰らうたびタフネスが1上がる」状態になります。
    《黒死病》であれば黒マナの続く限り撃ち放題、更に《五元のプリズム》があればマナも気にせず撃ち放題、と必要枚数は多いですがやりたい放題です。

     

    ・《畏怖の香り》
    《都の短剣歯》で格闘すれば、合計二回増殖できますね。
    《ラガークによる拘禁》と似たような話ですが、増殖デッキとしての純度を下げずに除去を積むことができるのは嬉しいところです。

     

    ■汎用系カード

    ・《堅固な証拠》
    青いソーサリー版の《スレイベンの検査官》という感じです。
    「《コーの空漁師》《深き刻の忍者》による使い回しはできない」「パワーが無いため攻め寄りの運用はできない」「ブロッカーとしても1/1も討ち取れない」という欠点はありますが、《ボーラスの占い師》や、昨今流行りの《うねる曲線》のようなカードとの相性は良好です。
    また、《うねる曲線》と合わせる場合は《焦熱の連続砲撃》で落ちないのも嬉しいですね。

     

    ・《焦点の喪失》
    《誤算》などと近い、2マナ要求の打ち消し呪文です。
    複製持ちであるため、続唱元と続唱先を1枚でまとめて打ち消せたり、打ち消し合戦に強かったり、中盤以降も腐らず運用できたりするのが強みです。
    シングルシンボルなので、青+何かのデッキにおいて《禁制》などが入っている枠で気軽に試されていいカードだと思います。

     

    ・《鉱山の崩壊》
    《火炎破》と似ていますが、流石に本体には飛ばないので注意。
    どちらかというと《マグマの陥没孔》の方が、中盤以降に《グルマグのアンコウ》をテンポ良く焼けるカードとして近いですね。そういう意味では《雪崩し》とかの方がいいかも…

     

    ・《豊穣な収穫》
    《冒険の衝動》などと近いタイプのドローソース。
    序盤は土地を、中盤以降はそれ以外を確実に拾ってくることができ、デッキの安定化に貢献します。
    また、《渦まく知識》《思案》などと組み合わせれば、例えば《渦まく知識》で土地を2枚戻して《豊穣な収穫》でその土地をボトムに送る、なんてこともできたりします。

     

    ■その他

    ・《害獣喰らい》

    サクリファイス系デッキの新たな選択肢。
    《死の夜番のランパード》と近く、能力のコスパそのものはかなり優秀ですが、タップが求められる(=1ターン遅い、攻撃参加できない、1ターン1回しか使えない)のと、自分を生贄にできないのが引っかかるところ。流石に厳しいでしょうか。

     

    ・《巣のシャンブラー》

    こちらも同じくサクリファイス系デッキでの採用が考えられます。
    素のままでも単純に1マナでクリーチャー2体分と考えればそう悪くないですし、《名も無き転置》《怨恨》など何かしらの手段でパワーを上げられれば更に高いパフォーマンスを得られます。

     

    ・《ゴブリンの壊乱術士》
    《荊景学院の使い魔》や《雷景学院の使い魔》と似ていますが、シンボル要求が厳しい代わりに優秀なサイズを持っています。
    《ブラストダーム》など強力な4マナ域に繋げるビートダウンデッキに採用してもよし、追加の使い魔クリーチャーとしてコンボデッキに採用してもよし、面白いカードだと思います。

    個人的には、緑白ゴンドのような《大量の芽吹き》を使ったデッキが今後赤を触る理由になりうるように思います。
    ※ただ、リスストームが流行ってしまうとサイドボードでの対策にこういったトークンデッキも巻き込まれてしまうので、それが難しい所ではありますが…

     

    ・《戦旗皮のクルショク》

    《大食のテュポーン》と似ていますね。
    活用は使い切りですが、こちらはコンバットトリックとして運用することができ、さらに柔軟な使い方ができるようになったと言えます。

     

    ・《稲妻の槍》
    色は違えど、比較対象は《怨恨》になりそうです。
    単純に設置の2マナがかかるのと、パワーの修正値が1なのでテンポは劣りますが、対象不適正で落ちることは無く、アーティファクトカウントを稼げたり終盤に本体を焼けたりするのは強いです。

     

    ・《電結の斬鬼》
    Pauperで5マナはかなり重いですが、死んでも他に乗り移る5/4/4速攻(もしくは5/5/5)はパフォーマンス良好です。
    とはいえ、土地を5枚並べて単純に置いて…だと遅いので、《煮えたぎる歌》あたりから叩き付けるのが理想でしょうか。

     

    ・《電結の足跡追い》
    《電結の悪鬼》と比べてマイルドな接合持ち。
    3/2/2スタートとはいえ威迫持ちなので素のパフォーマンスもそこまで悪くなく、育成難易度も低いので、接合さえ活かすことができるデッキなら簡単に活躍できそうです。
    スタート地点のタフネスが2なので、《焦熱の連続砲撃》で接合先もろとも流されないように注意しましょう。

     

    ・《鋳造所のらせん》

    マナコストも追加コストも少々重いですが、4点火力と回復を両立できます。
    《胆液の水源》などを入れたボロス統治者であれば、サイドボードなどに採用されてもおかしくないと思います。

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