説明!(ビシバシチャンプ)
今回は、全くのMTG初心者や他フォーマットから、「Pauperに参入したい」方向けの記事になります。
紙を前提にして話を進めますが、Magic Onlineでも多少は参考になると思います。
Pauperというフォーマットはカードが安くて効果もシンプルなので、齧ってみるには凄く良いんですけど、いかんせん総人口が少ないことから新規参入者向けの情報も少なくて、それがハードルになってしまいがちなんですよね。
なので、そのハードルを一つ一つ取っ払っていく記事にできればなと思っています。
なお、MTGの基本的なルールなんかの説明まで入れてしまうと疲れるので、そのあたりは公式サイトをご一読ください。わかりやすいです。
まず大前提として「どんなカードが使えるフォーマットなの?」というところの確認から。
基本的には、公式のPauper説明(⇒リンク)に載っていますが、大まかにまとめるとこんな感じです。
・コモンであれば、新しいものも古いものも基本何でも使える。
・コモンで収録されたことがあれば、使うカード自体はコモンでなくてもいい。
⇒例えば「マスターズ25th」アンコモンの《稲妻》も、過去にコモン収録経験があるため使える。
・ローテーション(使えていたカードが一定期間で使えなくなる)は無い。
⇒過去の大会などで使われていたカードは、禁止されない限りずっと使える。
今の段階ではザックリこのくらいの理解で大丈夫ですが、デッキ構築を進める中で「これって使えるのかな?」と疑問があれば、ちゃんとした詳細をまとめた過去記事(⇒リンク)をご一読いただければ確実です。
最初のステップです。
何かしらのデッキを組むためには、「組みたいデッキ」「使いたいカード」を定めることになりますが、そのためには情報収集が必要です。
デッキやカードを知りましょう。
あくまで個人的なオススメですが、以下に自分の使っている情報収集手段を紹介します。
宣伝はしっかりしていけ。うちです。
いわゆるTierデッキの殆どから、各々のオリジナルデッキまで、何かしらの形でリスト化&動画化されています。
全てではないですが、動画で使ったリストは半分以上コラム解説も入れていますので、初心者の方がデッキを知りたい時に「動画とコラムで理解して、リストを参考に持って行く」のにちょうどいいと思います。
参考&宣伝まで、OONSの最も思い入れのあるデッキのコラムを置いておきます。 ⇒リンク
英語が大丈夫であれば、ここが強い。
Magic Onlineの入賞リストが掲載されており、「世界全体のPauperメタゲーム」を見ることができます。
世界的なデッキ分布が見られることから、メタゲームをしっかり追いたい競技志向な方もよく利用されています。
が、草の根大会のデッキや個人投稿のオリジナルデッキなんかもしっかりあるので、そのあたりを活用すればマイナーなカードやデッキのアイデア探しなんかにも使うことができ、万能です。
なお注意点として、参考価格がドル単位で表示されますが、紙の価格は日本の相場と異なることが多いので、そこだけ注意しましょう。紙価格はWisdom Guildなどで見る方がよいです。
(利用例:流行りのデッキを知る)
・メタゲームページを開く(⇒リンク)
⇒「META%」が使用率なので、それが高いほど使われているということになります。
⇒適当なデッキを開くと、最新の入賞リストと、「Similar Decks」として
同じコンセプトの入賞リスト一覧が出てきます。
PCならマウスを合わせると画像が出るので、知らないカードのテキストも確認できます。
(利用例:好きなカードを活用できるデッキを知る)
・デッキ検索フォームを開き(⇒リンク)、以下を設定しSearch
・Select a Format
⇒Pauperを選択
・Deck Types
⇒勝っているデッキを知りたければTournamentを選択
勝っていなくてもよければ、他2つも選択
・Date Range
⇒最初はそのまま推奨
⇒検索結果が少なかったりしたら、好みに広げてみる
・Card / Quantity / Type
⇒ここにその好きなカードの名前(英語名)をセットする
・検索結果から「Deck Name」を選択
⇒あとは上の利用例と同じ
上の例は「好きなカードを活用できるデッキ」としましたが、「このコンセプトのデッキが組みたい」というレベルでも、「このコンセプトならこのカードは入るだろう」というカードを検索条件にすれば、良い参考資料がどんどん出てきます。
例えば、白単の兵士シナジーデッキを組むならば《宝石の手の報復者/Gempalm Avenger》で検索、といった具合です。
晴れる屋さんのWebサイトの、デッキ検索機能。日本語デッキリストが見られます。
Magic Onlineのリストに加え、晴れる屋さんとして開催している紙大会のリストが載っているので、この記事で目標としている「紙Pauper対戦をする」意味での適切なメタゲーム把握がしやすいと言えましょう。
また、「平日の3回戦大会で勝つ」だけでもデッキが掲載されることから、「噛み合いによっては勝てる見込みがある、面白い突飛なデッキ」を探すのにも役立ちます。
なお、デッキの予算感を見てから考えたい方には、晴れる屋さんのデッキリストから「このデッキを一括購入する」で晴れる屋さんの買い物カゴにリストをまとめて突っ込めるので、大まかな予算感の確認や、カード在庫の確認に便利です。
(利用例:好きなカードを活用できるデッキを知りたい)
・メタゲームページを開く(⇒リンク)
⇒下部の検索フォームに以下を設定し検索
・フォーマット
⇒パウパーにチェック
・カード名
⇒好きなカードを入れる
・検索結果から適当なデッキを開くと、そのデッキのリストが出てきます。
goldfishと同様に、「このコンセプトならこのカードは入るだろう」というカードを検索条件にすることで、実質的にデッキコンセプトで検索をかけるような使い方もできます。
「こういう感じのカードが使いたい」という目標があり、それに該当する具体的なカードを見つけたい方向け。
非常に優秀なカード検索機能を持つ、僕の相棒です。PauperMTGで特殊構築をする際など特に、情報収集のほぼ全てをここで行っています。
ちなみに自分はあまり使ったことないのでよく存じませんが、ScryFallのカード検索も、英語ですがたぶん似たようなことできると思います。
ここの使い方をマスターしておくと、
・面白い新弾カードを見つけた。組み合わせるカードを探したい。
・このカード、こういうカードがあればコンボになりそう。あるかな?
・特殊構築をすることになった。使えるカードを一覧化したい。
というときに役に立ちます。
注意点として、銀枠カードやプレイテストカードなど「Pauperで使えないコモン」もヒットしうるので、そのあたりは注意が必要です。エキスパンションが「_MB」のものと、明らかにおかしな効果のカードは気を付けましょう(ここの判断は多少のMTG慣れが要ります)。
(使い方)
・カード検索画面を開く(⇒リンク)
・レアリティの欄に「コモン」を設定
・構築範囲は「すべて」を設定
※「ヴィンテージ」を設定すれば銀枠カードなど弾くことができるのですが、
なぜか《ディンローヴァの恐怖》など一部コモンも一緒に弾かれます。
・カードテキストは、or検索 / and検索 / not検索が可能なので、色々できます。
なお注意点として、部族名は英語で入力する必要があったり、数字に全角半角が
あったり(+1は半角、1点は全角など)します。適当に試行錯誤すれば慣れると
思いますが、以下に例を書いておきます。
・例:土地を割りたい
⇒ “土地 && ( 破壊 || 追放 )”
・例:相手プレイヤーへ単発で大きなダメージを飛ばしたい
⇒ “(プレイヤー || 対戦相手) && (5点 || 6点 || 7点 || 8点)”
・例:サイズ修正以外のカウンターを使うカード
⇒ “カウンター && !( +1/+1 || -1/-1 )”
・例:兵士シナジーのあるカード
⇒ “Soldier” ※”兵士”で検索すると何もヒットしません。
・例:黒へのプロテクションを持つカード
⇒ “プロテクション && ( 黒 || 単色 || 選ばれた色 )”
・例:呪禁的なものを付与できるカード
⇒(( 呪禁 || 被覆 ) && ( を持 || を得 ) ) || 対象になら
・例:継続的に増殖できるカード
⇒( たび || : ) && 増殖
・マナコスト、色、カードタイプ、サブタイプなど色々と指定できるので、
例えばアグロデッキを組みたいならマナコストは上限3にする、白単なら
白以外の色を「でない」指定する、などした方が、検索結果が無駄に多く
なりすぎずに済みます。
※ただ、例えば《深き刻の忍者》のような「実質軽い」カードも一緒に
弾かれたり、白単でも使える《はらわた撃ち》が弾かれたり、こういう
絞り込みは調査漏れの原因にもなります。そこのリスクと調査時間の
トレードオフですね。
・忘れがちですが、「装備品」「オーラ」はサブタイプなので、サブタイプの
欄で検索条件に含められます。
Youtubeやニコニコ動画など。デッキリストだけでなく、動画投稿者によってリストの内容やプレイングに関する喋りが入っているため、しっかりデッキの中身を「理解」しやすいです。勉強感覚ではなく、単純にコンテンツとして楽しむ中で自然と色々学んでいけるのもいいところですね。
ちなみに、あまり忖度はしたくないので”オススメ動画一覧”みたいなのの作成は控えますが、PauperMTGとしてデッキリスト提供でお世話になっているSEIGA様の動画から、僕はPauperに参入しました。好きです。
基本的には動画投稿サイトと同じようなものです。
「溶鉄の雨 Pauper」「ライブラリアウト Pauper」など、好きな要素+PauperでGoogle検索すると時々ヒットするので、文字を読むことに抵抗が無ければ読んでみましょう。
自宅のストレージや、カードショップのストレージを漁って、使いたいカードを見つける方法です。昔のスタンダードで使っていた懐かしのコモンなど、出会いや思い出をデッキのアイデアとして発掘します。時間効率は悪いので、時間のある人向け。
その際の注意点として、基本的に「コモンかどうか」はエキスパンションシンボルを見るのがよいですが、
・シンボルがモノクロだからといってコモンとは限らない
・シンボル無いカードも同様
というところは気を付けましょう。
友人やTwitterなどで聞くという方法。
ここまでの説明が元も子もないですが、「今どんなデッキが強いの?」「このカード使ってみたいんだけど何か良いのない」など、人に相談するのも(特に初心者なら)すごく良い手段だと思います。
実際に、初心者の方がTwitterで相談ツイートをしているところにたくさん人が集まって意見やコメントを残している状況は、自分もちょくちょく見かけます。
組みたいデッキや使いたいカードは定まりましたね。
次は、具体的に75枚のデッキをデザインするステップに入ります。
ここは細かいところまで説明し出すと長くなってしまうので、大まかな手法の紹介にとどめます。
もしかしたら、これはこれで記事化するかもしれません。
構築の手法としては、大まかに言えば以下に大別されます。
①既知のリストのカスタム
②既知のリストのコピー
③完全なゼロから作る
①既知のリストのカスタム
これが一番よくある流れだと思います。
ベースにしたいリストを拾ってきて、気に入らないところや理解できないところを好みに変更していく形です。「構築の楽しさ」「最低限の強さが保障されている安心」を両立できます。
②既知のリストのコピー
「既知のリストに手を入れる自信がない」「まずは適当に回してみてからカスタムしたい」パターンですね。これもアリだと思います。
注意点として、各試合で回すのは75枚ではなく60枚なので、サイドボーディングを理解しやすいデッキにしないと、2戦目以降は「組んだ人の想定と違う60枚」で戦うことになりかねない、そうなると手を加えず完璧にコピーした意味が薄れる、というところは気を払った方がよいと思います。
なので、①であっても「メインだけ完全コピー、サイドは自分に合うようカスタム」という方も見られます。
③ゼロから作る
これは持論ですが、デッキを実際に回す際の強さは「デッキ自体の強さ・使い手の地力・使い手のデッキ理解」によって決まると思っていて、この「使い手のデッキ理解」においてはこれが一番だと思います。
また、誰も使っていないカードやコンセプトを使おうとすると、そもそも「既知のデッキ」が存在せず、この進め方を強いられるパターンもあります。
必要なカードをWisdom Guildなどでグイグイ検索かけて作っていくことになりますが、うまく探せば似たことをしている既知のデッキは見つかったりするので、そういうデッキからどんどん情報を吸い上げて、オリジナルデッキに落とし込んでいきましょう。
さて、75枚のデッキができたわけですが、不安でしょう。
買い揃える前に、ちゃんとデッキが回るか確かめたいでしょう。
やりましょう。一人回し。
・DECK-UP(⇒リンク)
自分はこのサイトをよく使います。
スマホアプリなんかでも一人回しができるものはありますが、これはWebサイトなのでスマホやPCでも(友人宅や会社のPCでも)できるのが魅力です。
パワー/タフネス表記がおかしかったり、画像表示がおかしくなるカードがあったり、こまごまとしたバグはありますが、そこまで気にはなりません。
準備は完了ですね。さあ、Pauperやりましょう。
・フリープレイ
大会がハードル高ければ、まずはここから。
Twitterなどで遊んでくれる相手を募るか、ノリの良い友人を勧誘するか、が主流です。
ノープランで店舗に突っ込んでフリプ待ちをする…というのは、マイナーフォーマットであるPauperでは難しいと思います。
・大会に出る
大会と言うとハードルが高いように聞こえるかもしれませんが、「誰かと予定を合わせたりせず、気軽にPauperしに行ける場所」程度に捉えるといいでしょう。
マイナーフォーマットだからこそではありますが、人口がそこまで多くないので、大会に通ううちに参加者同士で顔を覚えて仲良くなることも多くあります。
店舗や大会によって参加されている方々が違うので、色々行ってみて自分に合う環境を見つけるのがいいと思います。
参考まで、東京近辺のショップであれば、晴れる屋さん・イエローサブマリンさんが、比較的Pauper大会を開催しがちです。
また、Twitterで地域の近いPauperプレイヤーの方々を適当にフォローしておくと、「○/○の大会どうしようかな~」など情報が流れてくるので便利です。
自分が実際にデッキを組んだ時のことを思い出しつつ例にして、今回の記事をおさらいします。
あくまで1つの実例なので、皆様お好みのやり方でどうぞ。
目標:白単の、兵士シナジーを活かしたウィニーデッキを組みたい!
(情報収集)
・Wisdom Guildで、カードテキスト「Soldier」を含む、青/黒/赤/緑でないカードを検索
⇒以下が良さげだなと思う
《宝石の手の報復者/Gempalm Avenger》
《古参兵の剣鍛冶/Veteran Swordsmith》
《古参兵の鎧鍛冶/Veteran Armorsmith》
《軍用隼/War Falcon》
⇒それらを使ったデッキの構築例を調べ、採用候補カードを蓄積
・晴れる屋デッキ検索で、「宝石の手の報復者」を使うデッキを検索
(古参兵の剣鍛冶、古参兵の鎧鍛冶、軍用隼も同様)
・MTGGoldfishで、「Gempalm Avenger」を使うデッキを検索
(Veteran Swordsmith、Veteran Armorsmith、War Falconも同様)
・ついでに参考資料として、《忠実な聖戦士/Loyal Cathar》や
《先兵の精鋭/Elite Vanguard》など白のアグロ生物でも同様の
検索を行い、白単色のアグロデッキの構築例を調べる
・晴れる屋デッキ検索とMTGGoldfishで、最近流行りのデッキを調べておく
(デッキ構築)
・どういうデッキにしたいか、つまり構築思想を定める
⇒単色デッキのテンポの良さと兵士シナジーの全体強化を活かし、
トークン展開を絡めた消耗戦で押し込み切って勝つ
⇒その思想を体現するようなリストは情報収集で見つからなかったので、
情報収集で集めた採用候補など見ながらオリジナルで組む方針に決定
・メインボードはその構築思想をしっかり体現できるように構築し、
サイドボードはできるだけその思想を崩さないままで、苦手な
流行りデッキや苦手なカードへ勝ちの目を作れるように構築
・DECK-UPで無限に一人回しして細かい部分を調整
おわり!
他にも、これがわからなくて始めづらい…などあれば、OONSまで!